先週末に行ってきた、愛宕山紅葉ハイキングを振り返ってみる。
今年の紅葉ハイキングは計画を、二転三転したが、結局のところは、例年の愛宕山ミステリーコースで良かったかなと思う。
何せ、このコースは愛宕山を、知り尽くした私が、コース、体力、観光、いろんな面で、はっきり言って、最強だと思うからだ。
今回は前半は、清滝からの大杉谷で攻めてみた。じつは、これまで愛宕への取り付けとしては、
1)保津峡→水尾→水尾別れ
2)保津峡→つつじ尾根→水尾別れ
3)保津峡→清滝→大杉谷
など、いろいろ趣向を変えてやってきてはいるが、今回の出発点は、保津峡→清滝に変えたことは、結果的に良かったかもしれない。
例年の愛宕山では、保津峡に集まることが、JRを利用して、素早く愛宕山にアクセスできるという、メリットはあるのであるが、これは結構、遠いということに最近は結論づいている。
もちろん、桜の季節にはトロッコ駅や、保津峡を眺めながら、京都トレイルを北上して、清滝まで歩くことは、それなりに楽しいものであるが、時期は晩秋で、少しでも早く下山を考えると、今回は清滝からのスタートで丁度良かった。
清滝にて
出だしの清滝を出ると、今日は消防団の方が、多くいらっしゃる。聞いてみると、一週間前に捜索願を出されている、高齢者がいるらしく、今日はその捜索らしい。
空也の急登
大杉谷への取り付けは、毎度のことながら空也の滝である。空也の滝の手前に、民家があり、その民家の横の階段跡(ボロボロでほぼ原形を留めていないが。。。)が第一の関門となる。
登山地図には、あえてこのコースは点線で書かれている。現地に行ったところで、赤テープも看板も一切見られないので、大抵の人は、断念してしまうのだろう。
正直言って、京都トレイルから大杉谷に入るコースはあるが、登りも下りも林道で、一切の楽しみがない。
ここに彩りと、楽しみを生み出すのが、空也の急登である。これだけ伝えて、その魅力に感化されたものは、ぜひ行ってみるがいい。
しかしながら、ここを登る(下る)には、やはり自身の勇気が試されるに違いない。
トラロープと階段跡が少々残ってはいるが、あとのルートファインディングは、赤テープなどが一切なく、制覇した時には、自分なりのルートが形成されるものだ。
その時の達成感は、知る人ぞ知る、登山と言うものが、未知なるルートの開拓行為であることを、あえて実感することができる。
地図を片手に、信念通り進めば、やがて大杉谷林道の中間地点に、無事に合流する。
このコースにおける最大傾斜の第一関門が、ちょうど良い下半身の準備運動となること間違いない。
大杉谷林道
ここからの大杉谷林道は、尾根と谷筋を交互に繰り返しながら、ほぼ同じ緩やかな傾斜が続く。途中、同じような尾根と谷が続くことから、だんだんと、どのあたりにいるのかも、分らなくなってくるが、最終的には中間地点に見晴らしのいい、休憩所があり、そこまではエアロビクスゾーンであり、心拍数120程度の有酸素運動だと思ってもらっていい。
途中で休憩するよりも、ペース配分を考えながら、同じテンポ、同じ歩調を整えるように進むことが、良いトレーニングとなるだろう。あと、このコースの途中において、登山パーティ全員の体力を把握し、全コースのタイムスケジュールについても、熟考する良い準備段階となるだろう。
さて、大杉谷林道の中盤になると、景色の良い休憩所が出てくる。ここからの景色は、もともと景観に乏しい愛宕山の、唯一の癒しとなる。ベンチで休憩していると、先ほどの消防団の方々が、再度、後ろから追い抜かれていった。
聞いてみると、今日は多くの山岳救助隊が、この山に来ているらしい。そういえば、谷筋を登ってくる一行や、後半でもいろんなパーティに出くわしたが、それらすべては、一般登山パーティではなく、救助隊であったようだ。
今回のイベントにおいて、この遭難救助と言うのが、一種のキーワードとなっているかもしれない。なぜならば、この愛宕山は割に遭難する方が多いからだ。自分も、過去に大杉谷林道を知り尽くす前に、表参道から分岐した、パノラマルートなるものを
過去に興味本位で進んだことがあるのであるが、これが本当にやばかった。
途中で崩落しかけた場所があり、そこで行くか引き返すか、迷ったのであるが、結局、後半は道なき道を、地図だけを頼りにルートファインディングしたことがある。
愛宕山が迷いやすい理由としては、なんとなく安易に、地図を見て行けそうと思ってしまうことである。京都の山に共通するのは、北山杉が植林されていて、どこもかしこも手入れが行き届いており、見通しが良いので、行こうと思えば直投でも登れるのである。きっと、その高齢者も一般登山道から、分岐したルートに入り込んでしまったのだろうと思う。
冬の山の夕暮れは結構早い。道に迷ってしまえば、あっという間に時間がたち、周囲は真っ暗になってしまう。
そして、このイベントにおいても、そんな気軽な山行にて、道迷いしてしまいそうな高齢者が2名ほど登場するのであるが・・・(いまとなっては、この出来事がイベントを最大限に盛り上げる結果になったとは、実に皮肉なものであるが)
つづく