
最近は日差しが春めいてきて、近所の公園を歩いていても少し汗ばむような陽気が続いています。衣替えの準備を始めようとクローゼットを整理していたら、数年前にゴールドウィンのファミリーセールで安く手に入れた消臭シャツが出てきました。NASA開発の素材を使ったあのシャツは、今でも現役で活躍してくれています。そんな道具へのこだわりも大切ですが、最近ふと思い出したのは、道具以上に自分の「体の使い方」に対する意識が変わったあの日のことです。
会社の福利厚生を利用して、スポーツジムの「コスパ」に通い始めたばかりの頃の話です。それまでは、運動といえば「とりあえず動けばいい」という程度の認識でした。ランニングマシンに乗ればテレビを眺め、筋トレマシンに座れば回数をこなすことだけを考えていた。しかし、ある日のスタジオレッスンで、その考えが根本から覆される体験をしました。
筋肉の動きに集中する感覚
その日受けたのは、バーベルとステップ台を使う「マッスル」系のプログラムでした。私は5kgのプレートを左右につけ、合計10kgという、経験者から見ればごく軽い負荷でスタートしました。しかし、今回は単に持ち上げるのではなく、「今、どこの筋肉を使ってこのバーベルを動かしているのか」を極限まで意識することに決めていたのです。
例えばスクワット一つにしても、ただ腰を下ろすのではなく、大腿四頭筋の伸び縮みや、お尻の筋肉に力が入る瞬間をじっと観察するように動きました。すると、不思議なことが起こりました。いつもなら退屈に感じる30分間が、驚くほどあっという間に過ぎ去ったのです。筋肉と対話するような感覚に没入していると、時間の流れが加速し、気づけばプログラムが終了していました。これは、漫然と回数をこなしていた時には決して味わえなかった感覚です。
走り方に見る意識の差
スタジオを出た後、そのままランニングマシンへと向かいました。隣のマシンでは、女性が上体を大きく揺らしながらぴょんぴょんと跳ねるように走っていました。以前の私なら気に留めなかった光景ですが、意識が変わった今の私には、それが非常に非効率に見えたのです。私はあえて上体を一切揺らさないよう固定し、着地の衝撃を最小限に抑えながら、どの筋肉を使って足を前に出しているのかを考え続けました。
「走る」という一連の動作を分解し、筋肉の連動を意識しながら走る。そうすることで、ただの有酸素運動が、自分の体をコントロールするための深いトレーニングに変わりました。かつて、自律訓練やストレッチを組み合わせた瞑想的なアプローチで体重がスッと落ちたことがありましたが、あの時の感覚に近いものがあります。自分の内側に意識を向けることで、運動の効果が何倍にも膨れ上がるような手応えを感じました。
トレーニング後の変化と習慣
トレーニングの締めくくりに、ベルトで腰を振動させるマッサージ機を使ってみました。スイッチを入れた瞬間、体中の脂肪が猛烈に震え出し、耐えがたいほどの痒みに襲われました。脂肪が燃焼している証拠なのか、血行が急激に良くなったのか、とにかく「カユカユ拷問」と呼びたくなるような刺激です。しかし、シャワーを浴びてジムを出る頃には、その痒みさえも一種の達成感に変わっていました。
運動を「こなすべきタスク」ではなく「自分の体を知るプロセス」として捉え直したことで、ジムへ向かう足取りは以前よりずっと軽くなりました。今回の気づきを忘れないうちに、次回のトレーニングでも同様の意識を持って取り組むつもりです。今回のポイントを以下にまとめます。
動作を分解し、ターゲットとなる筋肉を常に意識する
外部の刺激(テレビなど)を遮断し、体の内側の感覚に集中する
正しいフォームを維持し、無駄なエネルギー消費を抑える
次は、この「意識」をトレランのような不整地での運動にどう応用できるか、新しいシューズを手に入れたら山で試してみようと考えています。
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